ホーム » IoT Study

IoT Study


CONCEPT/ARCHITECTURE

Aggregate Computing

IoT(Internet of Things)の基本アーキテクチャとして提唱している。ローカルなインテリジェンスを高度化する方向性でなく、ローカルとクラウドを合わせた「総体」としてのインテリジェンスを高度化する方向性を重視するという方針である 。Aggregate Computingでは、エッジノードとそれに対応する特定のクラウドとを直結する。そのクラウド上のアプリケーションとエッジノードが「総体」として一つのIoTサービスとなり、それがAPIを公開して他の IoTサービスと連携を取る。

Ubiquitous ID Architecture

ユビキタスIDアーキテクチャは、ユビキタスコンピューティングやIoT(Internet of Things)を実現する基本アーキテクチャです。ユビキタスコンピューティングやIoTでは現実世界の状況情報(Context)に応じた情報処理を行い、フィードバックすることを特徴としています。現実世界の「モノ」や「場所」を汎用性の高い識別子ucodeを割り当てて識別し、また記述論理をベースとしたucR(ucode Relation)という体系で現実世界の状況(Context)を記述します。RFIDやビーコンなどから出力されるucodeや、センサーノードが観測した情報をトリガーとして、次世代通信網を経由して様々な情報サービスを取り出す仕組みを提供します。

ユビキタスIDアーキテクチャの技術仕様は、トロンフォーラムより公開されています。

ユビキタスIDアーキテクチャは、国債電気通信連合(ITU)の国際標準規格となっています。

  • ITU-T勧告 F.771:”Service description and requirements for multimedia information access triggered by tag-based identification” (Oct. 2008)
  • ITU-T勧告 H. 621:”Architecture of a system for multimedia information access triggered by tag-based identification” (OCt. 2008)
  • ITU-T勧告 H. 642.1:”Multimedia information access triggered by tag-based identification – Identification scheme” (June 2012)
  • ITU-T勧告 H. 642.2:”Multimedia information access triggered by tag-based identification – Registration procedures for identifiers” (June 2012)
  • ITU-T勧告 H. 642.3:”Information technology – Automatic identification and data capture technique – Identifier resolution protocol for multimedia information access triggered by tag-based identification” (June 2012)

JOINT PROJECTS

CPaaS.io: City Platform As A Services, Integrated and Open

平成28(2016)年7月1日より、東京大学大学院情報学環坂村・越塚研究室は、欧州との連携した、日欧共同研究開発を以下の通り開始しました。IoT(Internet of Things)やLOD (Linked Open Data)の技術を活用したICTプラットフォームを通して、都市における様々な課題を実践的に解決することを目指した研究を行います。(パートナー:YRP UNL, 日本マイクロソフト, ACCESS, UC Technology, EU側プレイヤ, NICT, EU)

  • 報道発表(NICT)
  • プロジェクトウェブページ

Kokosil(ココシル)

Kokosil(ココシル)はLocation-aware Computingの研究成果をスマートフォン上のサービスとして実現したものです。街の様々な情報を場所と結びつけたデータとして扱います。スマートフォンが、GPSやRFID、ucodeBLE、バーコードなどの様々な測位技術を利用して現在の場所を取り出し、その場所に応じて、様々な街の情報を利用者に提供するサービスです。すでに、東京銀座、札幌市、横須賀市、那須塩原、上野、秋葉原など、日本各地の多くの地域に対応しています。(パートナー:YRP UNL、UC Technology)

  • ココシルネット

Smart Infrastructure

現在、日本社会の成熟とともに、それを支えるインフラの老朽化も大きな課題となっている。それを効率的かつ効果的に実施するために、IoT(Internet of Things)技術や高度なICT(情報通信技術)を活用することが期待されている。社会インフラの保全、運用、管理の情報のデータベース化、センサーやUAVなどを利用した検査手法、オープンデータやSNS、集合知を使った保全などの研究に取り組んでいる。(パートナー:情報学環「情報技術によるインフラ高度化」社会連携講座)

ユビキタス救急医療

救急医療現場を支援するIoT、ユビキタスコンピューティング技術を研究している。救急車から患者の情報を受入先病院へ伝送するシステム、病院内における各種医療リソースの利用状況の自動管理、災害医療時のトリアージ支援などに取組んでいる。特に、救急車からの情報伝送システムは、すでに、横須賀市の全救急車と一部の病院のドクターカーに実用配備されて利用されている。(パートナー:YRP UNL、横須賀市、横須賀共済病院、横須賀市立うわまち病院、横須賀市立市民病院)

Food Traceability, 食品トレーサビリティ

食品トレーサビリティとは、「食品の移動を把握できること」で、現在の食品の安全性の確保を実現するためには不可欠な取組みです。各事業者が食品を取扱った際の記録を作成し保存しておくことで、食中毒など健康に影響を与える事故等が発生した際に、問題のある食品がどこに行ったかを調べたり(追跡)、どこから来たのかを調べたり(遡及)するものです。これを実現するために、IoTやユビキタスコンピューティングの技術が期待されています。個々の食品個体を追跡するために識別子としてucodeを用いた、ucode食品トレーサビリティシステムの研究をしています。また、京都大学、トロンフォーラムと共同で、食品トレーサビリティを担う人材育成のための、「食品トレーサビリティ講習会」を京都大学と東京大学で、年1回づつ開催しています。(パートナー:京都大学、トロンフォーラム)

Pedestrian Navigation, 歩行者移動支援

Location-aware computing技術を用いて、高齢者や身体障害者、外国人など、日本国内の移動に困難がある人を支援すると仕組みが、歩行者移動支援である。2015年、東京大学本郷キャンパス及びその周辺のバリアフリーマップを整備し、またキャンパス内にucodeBLEビーコンを取り付け、それらのデータをオープンデータとして公開することで、本郷周辺の移動支援の資するアイデアやソフトウェア開発を行う、アイデアソン・ハッカソンを開催した。(パートナー:国土交通省) 東京大学歩行者移動支援アイデアソン、ハッカソン(2015)


LAB PROJECTS

Smart Building(Daiwa Ubiquitous Computing Research Building)

IoT、ユビキタスコンピューティング技術をビルに適用するSmart Buildingの研究を行っている。最近の成果としては、当研究室が入居している教育研究棟「ダイワユビキタス学術研究館」がまさに、そのSmart Buildingである。これは、大和ハウス工業株式会社様より、本郷キャンパス内にご寄贈頂き、現在情報学環では当館における教育研究を開始している。

当館の建築にあたっては、坂村健教授を責任者として建物のプロデュースを行い、更に建物の意匠設計を工学系研究科・隈研吾教授が担当し、東京大学が一致協力した体制で建設した。

様々なセンサから、現在地、温度、湿度、電力使用量など をはじめとしたリアルタイムな環境コンテクストを取得したり、エレベー タや空調などの機器を操作できる API を備えている。こうしたAPI を利用することで、例えば障碍者の生活支援や、電力使用量に応じた機 器制御など、ユビキタス・コンピューティング/ IoT 技術が可能にするコ ンテクスト・アウェアなアプリケーションを、実際に構築することができ ます。坂村・越塚研究室では、このような環境自体をフィールドとして、 IoT 技術に関する研究を実証的かつ継続的に行っている。

ucodeBLE

BLEを使ったタグから、場所を示すucodeを出力するタグに関する研究および、その標準仕様の作成。

  • ucodeBLEタグ仕様書

Wireless Sensor Network

無線センサネットワークは、ユビキタスコンピューティング環境を構築するために重要な基盤技術です。近年では、IoT(Internet of Things)やM2M等と呼ばれる技術も含め、また新しい切り口で注目を集めています。無線通信機能と計算処理能力を備えた大量のセンサノードが互いに繋がり、自律的に連携して人々の生活をサポートする環境の実現は、まさにユビキタスコンピューティング環境の目指す世界です。越塚研究室では、超低消費電力動作が可能な小型軽量なオペレーティングシステムや、先進的な無線アクティブRFIDタグ等に関する研究に取り組んでいます。

Pedestrian positioning using dead-reckoning

本研究では,携帯型センサを利用して歩行者の位置を,精度の低いセンサデータに左右されず,正確に推定することを目指す.具体的には,長所と短所の異なる複数のセンサによって位置推定に必要な値を算出し,携帯型センサから推定した歩行者の行動や,センサの特性を数値化したセンサ信頼度などを各センサの信頼性指標 (Reliability Index:RI) として定義し,このRIに基づいてセンサの組み合わせを決定し,決定された組み合わせに基づいて複数のセンサを選択して位置推定を行う.さらに,RIに基づいてセンサのキャリブレーションのタイミングを検出し,センサのキャリブレーションを行う.

Pedestrian positioning based on environmental knowledge

This study aims to recognize a pedestrian’s position in a metropolitan environment. In this study, we attempt to improve the accuracy of the positioning result by combining a map-matching method with the dead-reckoning estimation result estimated using portable sensor values.

Secure Attestation

Service Framework One of the applications of secure attestation service framework is the medical certificate application. This application can generate trusted information, i.e., digital medical certificate that can attest to its user’s whereabouts and also infer the activity engaged by the user at that particular location. The user can share her/his information with recipients of her/his choice through secure peer-to-peer communication channel at anytime. To further protect the privacy of the user (information owner), the recipients are prohibited from illegally redistributing the received information. This feature is provided through the eTRON File access control list settings defined in the proposed framework.

Kokosil AR

場所情報サービス「ココシル」にAR機能を付加する研究。


COLLABORATION

OPaaS.io, IoT おもてなしクラウド

IoT、ユビキタスコンピューティングの取組を、サービス業なども含む各種事業に適用し、個別のサービスを連携させて、社会全体で「総体的」なサービスを実現するための仕組みが「おもてなし・サービス4.0」である。現在、総務省の「2020年に向けた社会全体のICT化推進」にも協力し、サービス4.0に向けた取組を行っている。 総務省:「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」 一般社団法人 IoTサービス連携協議会(理事長:須藤修・東京大学教授)

歩行者移動支援サービスに関するオープンデータ

国土交通省がもつ、日本の国土や交通等に関する膨大な情報を、オープンデータとして公開することによって、政府の取組を国民に透明化するだけでなく(オープンガバメント)、政府自治体と民間・個人とが協働するあたらしい公共の形(Gov. 2.0)、国交省のデータを利用した新しいビジネスやサービスのイノベーションの実現を目指しています。(パートナー:国土交通省)

  • 国土交通省「歩行者移動支援サービスに関するデータサイト」

[/one_third]

Public Tag

屋内や地下街で測位を行うための位置ビーコン基盤を確立することを目指しています。BLEやWifi、RFIDなど、測位に使えるデバイスには、その設置位置を国土地理院が管理する「場所情報コード」(ucode)を割り当て、更にそのデバイスを用いた測位い必要な情報をオープンデータ化することによって、誰もが測位できる環境を構築しています。(パートナー:国土交通省・国土地理院)

場所情報コード

「場所情報コード」とは、ある場所に固定されたモノを識別し必要な情報を結び付けられるようにするために、本研究室の研究開発成果であるucodeに準拠したコードで、位置(緯度、経度及び高さ(階層))に関する分類と、当該位置に存在するモノを一意に識別するための連番から構成されています。(パートナー:国土交通省・国土地理院)

  • 国土地理院「場所情報コード」のページ

高精度測位社会プロジェクト

東京オリンピック・パラリンピックが開催される 2020 年までには、準天頂衛星4機運用体制の整備、屋内外の測位環境・技術の進展、スマートフォン等の携帯情報端末 の普及・高度化等により、高精度の測位環境が整備された社会、「高精度測位社会」の 実現が見込まれている。国土交通省では、こうした未来の社会像を見据えつつ、世界に先駆けて屋内外の測位技術等を活用した様々なサービスを生みだし、国内外に広くアピールするため、空間情報インフラを 効率的・効果的に整備する手法や継続的に維持・更新する体制(モデル)の検討を行い、民間事業者等による多様なサービスが生まれやすい環境づくりを推進している。当研究室の研究開発成果であるucodeや場所情報コード、ucodeBLEやココシルなどの技術の適用などを通して、本プロジェクトに協力している。(パートナー:国土交通省)

  • 国土交通省『高精度測位社会プロジェクト」

住宅機器トレーサビリティ

本研究室の研究開発成果であるucodeを、財団法人ベターリビングが認証した火災報知機などの住宅機器に割り当てて個体管理をすることで、これらの住宅機器のトレーサビリティを実現している。(パートナー:財団法人ベターリビング、YRP UNL)

長期優良住宅

長期の利用に耐え、社会的なストックとして住宅を識別するために、ucodeを用いて、その長期優良住宅に関する様々な情報を蓄積している。


 

アクセス

住所
東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院情報学環
ダイワユビキタス学術研究館