CONCEPT
オープンデータとは、公共性の高いデータに対して、アクセスするためのAPI (Application Programming Interface) などを公開し、ネットワーク経由で他の組織のシステムから利用可能にした、いわばデータ版の公共基盤です。データを用いてサービスを提供する場合に、1社(組織)でシステムを開発しサービスを提供するやり方ではシステム開発コストが高くなり、多種多様なニーズを満たすことが難しくなってきています。コストをかけて情報サービスを構築した場合においても、そのサービスでは十分な収益が得られない場合が多く、結果的にデータが死蔵されるようなことも起こっています。そこで、データをオープンにすることで、ベンチャー企業も含むITベンダやボランティアなど多様な開発者がそれを利用するアプリケーションを容易に提供できる環境を作り、障碍者や外国人などマスでないユーザ層にもマッチしたアプリケーションが多数生まれてくるようにしようというのが、オープンデータの目的です。また、データ資源への容易なアクセスが、多様な新ビジネスに寄与することも期待できます。
LAB. PROJECTS
歩行空間ネットワークデータ
2015年に東京大学本郷キャンパス及びその周辺の歩行空間ネットワークデータや施設情報を構築し、オープンデータ化した。
JOINT PROJECTS
公共交通オープンデータ
本研究では、公共交通に関する「オープンデータ」を核とし、先進的な次世代公共交通情報サービスの構築、およびその標準プラットフォームの研究開発、公共交通政策提言を実施しています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける円滑な公共交通提供に資する、オープンデータ方式による情報サービスを担うことを目指しています。研究内容は以下の通りです。(パートナー:公共交通オープンデータ協議会)
- 公共交通事業関連データ提供(オープンデータ)のワンストップサービスの実現
- 公共交通情報の標準プラットフォーム構築(IPTS: Intelligent Public Transportation System)
- 身体障碍者や外国人など、多様な利用者への情報提供方式の研究開発
- 駅などの交通ターミナルにおける測位インフラの標準化・普及
- 鉄道・バス・航空機・タクシー間の情報連携の実現
連携先
札幌オープンデータ
(札幌オープンデータ協議会、札幌市、日本マイクロソフト、YRP UNL)
オープンデータの手法を用いて外国人観光客をターゲットとした受入環境の整備に資する活動を行っています。観光やスポーツイベントに関する様々な情報のオープンデータ化とその利活用を促進することで、札幌における外国人観光客の受入環境の課題の解決および地域活性化を実現します。外国語での観光資源や公共交通、施設などについての情報提供不足や、外国語で接客できるスタッフの不足、中心市街地に乗り入れる観光バスの路上駐車などの課題について、関連す る情報をオープンデータとして整備し、これを活用した様々なアプリケーションの開発と利用を促進します。
連携先
COLLABORATION
VLED(一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構)
2012年7月には産官学が共同でオープンデータ流通環境の実現に向けた環境整備を目的としてオープンデータ流通推進コンソーシアムが設立され、オープンデータの利用ルールや技術に関する検討、及び普及・啓発活動を行いました。公共機関が保有するデータのオープンデータ公開を推進し、国・地方公共団体が公開したデータと組み合わせてビッグデータとして利活用することによって新たなビジネスを創出し、地方創生を推進するとともに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも見据えた経済の活性化を行うための組織として、比較的自由度の高い運営が可能な一般社団法人の形態を前提に、オープンデータ流通推進コンソーシアムの成果を引き継いで、本VLEDが設立されました。
現在、坂村健教授が理事長を、越塚登教授が理事・技術委員会主査・2020オープンデータシティ推進委員会共同主査を務めて、VLEDの活動を支えています。VLEDの活動成果には、オープンデータのプラットフォームとなる、情報流通連携基盤の仕様や、オープンデータを実現するための各種ガイドなどのドキュメントがあります。
data.go.jp
data.go.jpは日本政府がオープンデータとして公開しているデータのカタログサイトです。現在17,105件のデータ・セットのカタログが登録されています(2016年8月1日現在)
data.go.jpを構築する際には、本データカタログの構築を統括する、内閣官房「電子行政オープンデータ実務者会議」における、データ・ワーキング・グループ主査、公開支援ワーキング・グループ主査を越塚登教授が務め、本カタログの構築運営に貢献しました。
横須賀市オープンデータ
総務省平成25年度補正予算「G空間シティ構築事業」のなかで実施した「オープンデータによるG空間地域プラットフォーム整備事業」の一環として整備されたオープンデータカタログ。現在は、津波ハザードマップの三次元形状データと、横須賀市中央駅付近の歩行空間ネットワークデータを公開してます。(パートナー:横須賀市)
豊島区オープンデータ
総務省平成25年度補正予算「G空間シティ構築事業」のなかで実施した「オープンデータによるG空間地域プラットフォーム整備事業」の一環として整備されたオープンデータカタログ。現在、124件のデータ・セットが公開されています。